秋田の医療DXを考える|元看護師がメディカルジャパン東京2026で見たAI活用と業務効率化

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イベント・活動報告
秋田の医療DXを考える|元看護師がメディカルジャパン東京2026で見たAI活用と業務効率化

幕張メッセで開催されたメディカルジャパン東京2026に参加しました。元看護師として救急・集中治療や看護管理業務に携わった経験を踏まえ、AIを活用した看護業務の効率化、医療DXの導入事例、患者説明のデジタル化などを紹介。


人口減少や看護師不足が課題となる秋田の地域医療について、今後の可能性や医療DXへの投資の重要性を考えます。

  メディカルジャパン東京2026の会場入口|幕張メッセで開催された医療展示会

メディカルジャパン東京2026に参加


2026年10月、幕張メッセで開催された医療・介護・薬局分野の展示会「メディカルジャパン東京2026」に参加してきました。

▶︎メディカルジャパン東京2026 公式サイト


現在は秋田市でカーコーティング専門店BLANC(ブラン)を運営していますが、以前は関東や秋田の医療機関で約17年間、看護師として勤務していました。


高度救命救急センターをはじめ、集中治療室や循環器の専門病院などで急性期医療に携わり、看護管理業務も経験してきました。また、看護学校での教員経験に加え、臨床現場では実習指導者として看護学生の教育にも携わってきました。


こうした臨床・管理・教育の経験から、医療従事者の働き方や業務効率化、人材育成には今でも強い関心があります。


特に秋田では、人口減少や看護師の担い手不足が進む中、新しい人材の確保だけでなく、現在働いている医療従事者が長く働き続けられる環境づくりも重要だと感じています。


今回の展示会では、AIを活用した看護業務の効率化や医療DXの導入事例など、実際の医療現場でどのような技術が活用されているのかを中心に見学しました。


看護師として現場を離れた今だからこそ、これまでとは違う立場から医療の未来について考える機会にしたいと思っています。



  幕張メッセで開催されたメディカルジャパンとツールジャパンの会場案内

TOOL JAPANではなくMEDICAL JAPANへ

幕張メッセでは、医療・介護分野の展示会「MEDICAL JAPAN」のほか、工具や作業用品などを扱う「TOOL JAPAN」など、複数の展示会が開催されていました。


現在の仕事を考えれば、カーコーティングに関連する工具や設備を見に行く方が自然なのかもしれません。


しかし、今回はあえてMEDICAL JAPANを選びました。


看護師として医療現場を離れた今でも、医療への関心がなくなったわけではありません。むしろ、現場から離れたことで、これまでとは違う視点から医療の課題を考える機会が増えたように感じています。


特に秋田では、人口減少に加え、看護師をはじめとする医療従事者の確保や働き続けられる環境づくりが重要な課題だと考えています。

新しい人材を確保することはもちろん大切ですが、今いる職員の負担を減らし、限られた人員でも医療を支えられる仕組みを整えることも必要です。


そのために医療DXやAIがどこまで活用できるのか。今回は実際の展示や企業の取り組みを通じて、その可能性を知りたいと考えていました。

  メディカルジャパン東京2026の展示会場全体と企業ブースの様子

多くの医療関連企業や病院が集まる展示会場


会場に入ると、広い展示ホールに数多くのブースが並び、改めてその規模の大きさに驚かされました。


医療機器メーカーや医療関連企業だけでなく、実際の病院も出展しており、それぞれが取り組んでいる医療DXや業務改善の事例などを紹介していました。


企業が新しい製品やサービスを提案する一方で、病院側からも実際の医療現場でどのような取り組みを行っているのかが発信されており、さまざまな立場から医療の未来を考えられる展示会だと感じました。


メディカルジャパンには看護師として働いていた頃にも何度か足を運んだことがありますが、今回改めて訪れてみると、AIやデジタル技術を活用した業務改善など、医療を支える仕組みそのものに関する展示が印象に残りました。


これだけ多くの企業や医療機関が一堂に集まり、それぞれの技術や経験を共有している光景を見ると、医療現場の課題解決に向けて、さまざまな分野で取り組みが進んでいることを実感します。


  AIによる看護師の勤務表作成やシフト管理を支援する医療DXシステム

AIを活用した看護管理業務の効率化と医療現場の情報共有

今回、特に関心を持ったのが、AIを活用した看護師の勤務表作成や、日々の看護業務を効率化するシステムです。


看護管理業務を経験した立場からすると、勤務表の作成は単純に必要な人数を配置すればよいというものではありません。


夜勤回数や休日希望、個々の勤務条件に加え、スタッフ同士の相性や経験年数、看護技術の習熟度など、さまざまな要素を考慮する必要があります。


展示されていたシステムでは、こうした条件を音声で入力し、AIが内容を取り込んで勤務表の作成に反映できる仕組みが紹介されていました。


スタッフ同士の組み合わせについても、管理者が把握している現場の事情を音声で伝え、それを条件として反映できる点は興味深いものでした。


また、看護業務を支援する技術として、スマートグラスに患者情報を表示するシステムや、インカムを活用した情報共有の仕組みも紹介されていました。


さらに、音声をアプリで文字起こしし、看護記録への転記を支援するシステムもありました。記録のためにパソコンへ向かう時間を減らせれば、その分、患者と向き合う時間を確保できる可能性があります。


もちろん、勤務表の最終的な調整や患者情報の取り扱いには、人による確認や適切な管理が欠かせません。


それでも、これまで管理者や看護師が多くの時間を費やしてきた業務をAIやデジタル技術で支援できることは、医療現場の負担軽減につながると感じました。

   秋田の医療DXを考える|元看護師がメディカルジャパン東京2026で見たAI活用と業務効率化

病院と企業が取り組むAIによる看護業務の効率化

今回の展示会では、実際の病院と企業が共同で開発し、医療現場での業務効率化につなげている事例も紹介されていました。


特に興味深かったのは、AIの導入によって、これまで看護師が行っていた業務がどの程度効率化されたのか、実際の病院で得られた成果を具体的な数値とともに紹介していたことです。


展示ブースには導入先の病院職員も参加しており、システムを活用することで現場の業務がどのように変化したのか、実際に話を聞くことができました。


企業側の説明だけでなく、日々の業務に携わる医療従事者から直接話を聞けたことは、今回の展示会で得られた大きな学びの一つです。

医療DXというと、新しいシステムを導入すること自体に注目が集まりがちですが、重要なのは導入後に現場の業務がどう変わるのかという点だと思います。


看護師の仕事には、患者への直接的なケアだけでなく、記録や情報共有、各種書類の作成など、多くの間接業務があります。


こうした業務に費やす時間を減らすことができれば、患者と向き合う時間を確保しやすくなるだけでなく、時間外勤務の削減や職員の負担軽減にもつながる可能性があります。


また、企業が一方的にシステムを開発するのではなく、実際の医療現場と連携しながら改善を重ねている点にも意味があると感じました。


現場で本当に必要とされる機能を取り入れ、その効果を検証しながら運用していくことが、医療DXを定着させるうえで重要なのではないでしょうか。

  メディカルジャパン東京2026の屋外休憩エリアに並ぶキッチンカー


展示会の合間に少し休憩|会場にはキッチンカーも

医療DXやAIの最新技術について話を聞きながら会場を回っていると、あっという間にお昼の時間に。


会場には休憩スペースのほか、さまざまなキッチンカーも並んでおり、展示会ならではのにぎわいを感じました。


普段はカーコーティングの仕事で車と向き合う毎日ですが、この日は久しぶりに医療の世界にどっぷり。


せっかくなのでキッチンカーのグルメも楽しみたいところでしたが、気になる展示や講演も多く、今回は写真だけ撮って次のブースへ。


こうしたちょっとした息抜きも、大規模な展示会の楽しみの一つですね。


  学研の患者説明動画を活用した入院時や手術前の説明業務支援

学研が提案する患者説明のデジタル化と看護業務の負担軽減

今回の展示会では、学研が紹介していた患者説明用の動画サービスにも関心を持ちました。


病院では、入院時の案内や手術前の説明、検査に関する注意事項など、患者や家族に伝えなければならない情報が数多くあります。


看護師として勤務していた頃も、こうした説明業務には多くの時間を費やしていました。同じ内容を繰り返し説明することも多く、患者によって理解度が異なるため、説明の仕方にも工夫が必要でした。


展示されていたサービスでは、患者向けの説明を動画で提供できるほか、病院ごとの運用に合わせて内容を調整できる仕組みが紹介されていました。


動画を活用することで、説明内容のばらつきを抑え、患者や家族が必要な情報を理解しやすくなることが期待できます。また、看護師が毎回同じ説明を一から行う負担を減らせる点も魅力的です。


もちろん、動画を見てもらうだけですべての説明が完結するわけではありません。患者の理解度を確認し、疑問や不安に対して個別に対応することは、これまでと変わらず医療従事者の重要な役割です。


だからこそ、共通する説明はデジタル技術で効率化し、人が直接関わるべき部分に時間を使う。こうした役割分担も、医療DXの一つの形だと感じました。


今回紹介されていた患者説明動画については、学研の「Gakkenメディカルクリップ」公式サイトでもサービス内容を確認できます。

▶︎学研 Gakkenメディカルクリップ 公式サービス紹介

  医療DX導入における投資判断の壁などを解説したピッチセミナー資料

医療DX導入の壁と、秋田の地域医療に必要な投資

会場では、医療DXの導入に関する課題を取り上げたピッチセミナーも行われていました。


その中で特に印象に残ったのが、医療現場に新しい技術を導入する際の投資判断についての話です。


医療DXの必要性を理解していても、実際にシステムを導入するには相応の費用がかかります。導入後の運用や職員への教育、既存システムとの連携なども考えなければならず、簡単に決断できるものではありません。


病院の経営状況や規模によっても事情は異なるため、すべての医療機関に同じような投資を求めることは現実的ではないと思います。


一方で、人口減少が進む秋田では、今後も現在と同じ人数や働き方で医療を支え続けられるとは限りません。


看護師をはじめとする医療従事者の確保が難しくなる中で、これまで人の手で行ってきた業務を見直し、限られた人員でも医療の質を維持できる仕組みを整えていくことは、ますます重要になると考えています。


医療DXへの投資は、単に新しい機器やシステムを購入することではなく、そこで働く職員の負担を減らし、地域の医療を将来にわたって維持するための投資でもあります。


もちろん、導入すれば必ず成果が出るわけではありません。現場の課題を把握し、費用対効果や運用体制を十分に検討することが前提です。


ただ、目の前の費用だけで判断するのではなく、何も変えずに今の働き方を続けた場合、将来どのような負担が生じるのかという視点も必要なのではないでしょうか。


今回のセミナーは、医療DXを技術面だけでなく、病院経営や地域医療の持続可能性という視点から考える機会になりました。

  全国の民間病院や大学病院で進む医療DX導入事例の紹介

民間病院から大学病院まで広がる医療DXの取り組み

今回の展示会では、民間病院から大学病院まで、さまざまな医療機関における医療DXの導入事例も紹介されていました。


病院によって規模や診療機能、職員数、抱えている課題は異なります。そのため、同じシステムを導入すれば、どの病院でも同じ効果が得られるというわけではありません。


それでも、看護記録や情報共有、職員の業務負担軽減など、医療現場が抱える課題には共通する部分も多くあります。


特に興味深かったのは、医療DXが一部の大規模病院だけの取り組みではなく、それぞれの医療機関が自院の課題に合わせて活用方法を模索していることです。


秋田でも、大学病院や地域の中核病院、民間病院など、それぞれが担う役割は異なります。人口減少や医療従事者の確保が課題となる中で、他の医療機関の導入事例から学べることは少なくないと思います。


もちろん、他院で成果が出た取り組みをそのまま導入するのではなく、自院の業務や職員の意見を踏まえて検討することが大切です。


医療DXは病院の規模だけで考えるものではなく、それぞれの現場にどのような課題があり、何を改善したいのか。その目的を明確にすることが、導入を考える第一歩になると感じました。

  ReFaが展示したリカバリーウェアを取り入れた医療用スクラブと白衣

美容医療の展示エリアで感じた、日頃のメンテナンスの大切さ

医療DXや看護業務の効率化に関する展示だけでなく、美容医療の分野にも興味深いブースが数多くありました。


その中で目に留まったのが、美容ブランド「ReFa(リファ)」の展示です。医療従事者向けのスクラブやリカバリーウェアなど、普段の医療機器とは少し違った視点から、働く人の快適さや身体のケアを考えた製品が紹介されていました。


また、別の美容医療関連ブースでは、AIを活用して肌の状態を分析する機器も体験しました。


そこで表示された私の肌年齢は、なんと32歳!!


思わぬ結果に、ちょっと嬉しくなってしまいました(笑)。


もちろん、AIによる肌年齢は測定機器や分析方法によって異なるため、実年齢より若いからといって、それだけで肌の健康状態が判断できるわけではありません。


それでも、日頃のスキンケアや髪の手入れなど、小さなメンテナンスを積み重ねることの大切さを改めて考えるきっかけになりました。

これは、現在の仕事であるカーコーティングにも通じるところがあります。


車も、コーティングを施工したからといって、何もしなくても綺麗な状態が続くわけではありません。定期的な洗車や適切なメンテナンスによって、汚れの蓄積を防ぎ、美しい状態を維持していくことが大切です。


車も肌も髪もそれぞれ適切なケアの方法は違いますが、日頃から状態を確認し、必要な手入れを続けることが大切なのだと思います。


医療DXを学びに訪れた展示会でしたが、最後は思いがけず、自分の仕事にもつながる発見がありました。

まとめ|秋田の医療DXと、看護師が働き続けられる地域医療の未来

今回、メディカルジャパン東京2026に参加し、AIや医療DXを活用した業務効率化、病院と企業による共同開発、実際の医療現場での導入事例など、さまざまな取り組みに触れることができました。


特に考えさせられたのは、これからの秋田の地域医療をどのように支えていくのかということです。


秋田県は全国でも人口減少と高齢化が進む地域であり、2026年7月時点の高齢化率は40.9%に達しています。


医療を必要とする高齢者が多い一方で、医療従事者、特に看護師を安定して確保していくことは、今後ますます重要な課題になると考えています。


全国には、看護師などの資格を持ちながら現在は看護職として働いていない「潜在看護職」が約80万人いると推計されています。


出産や育児、介護、健康上の事情など、現場を離れる理由はさまざまです。しかし、その中には条件が合えばもう一度看護師として働きたいと考えている人もいるはずです。


大切なのは、新しい看護師を採用することだけではありません。


現在働いている看護師が、これからも安心して仕事を続けられること。そして、一度現場を離れた人が、再び看護師として働きたいと思える環境を整えることも必要だと思います。


看護職は女性の割合が高く、ライフステージの変化によって働き方を見直さなければならない場面も少なくありません。


また、看護管理業務や実習指導者としての経験から、若手看護師を育て、現場を支える中堅看護師の存在がいかに重要かも実感してきました。


経験を積んだ看護師が働き続けられる環境がなければ、日々の看護業務だけでなく、新人教育や後輩の育成にも影響が及びます。


もちろん、医療DXを導入するだけですべての問題が解決するわけではありません。適切な人員配置や待遇、職場の人間関係、柔軟な勤務体制など、取り組むべき課題は数多くあります。


その中で、AIやデジタル技術によって記録や情報共有、勤務表作成などの業務負担を減らすことができれば、看護師が本来の専門性を発揮できる時間を増やし、働き続けやすい環境づくりにもつながるのではないでしょうか。


医療DXへの投資は決して小さなものではありませんが、これからの地域医療を維持するためには、人材の確保と同時に、今いる人材を大切にするための投資も必要だと感じています。


現在は看護師として医療現場に立つことはなくなりましたが、約17年間の臨床・管理・教育の経験は、今でも自分にとって大切な財産です。


秋田市でカーコーティング専門店BLANCを運営する現在も、医療への関心がなくなったわけではありません。


これからも医療の動向に目を向け、これまでの経験を生かしながら、現場とは違う立場からでも秋田の地域医療に何らかの形で貢献できればと考えています。

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